屋根/外壁カバー工法

名前の通り今ある屋根・外壁をカバーする工法。既存の外装材を撤去しないので工事期間も短く廃材運搬処分費も無い分、費用が抑えられます。
カバー工法に適した軽量の屋根材・外壁材を使用します。

施工前

築30年とは思えないモダンなデザインですが以前の塗装から年数が経過し、壁だけではなく柱や煙突なども退色しているのがわかります。その他にもバルコニーの防水切れ・目地のコーキング割れ・破風の傷み・雨どいの外れなど、気になる所が幾つか見られました。

施工後

幅の広い横ラインから、金属ならではのシャープで細かな直線になったことでスタイリッシュさを演出。またシルバーカラーを採用されたことでサッシ・煙突のブラックと合いモダンで無機質な中に、アクセントとして張り分けた木目が映えます。美観だけではありません。リフォーム だから実感いただける過ごしやすさの変化。遮熱性フッ素SGL鋼板と断熱材の組み合わせで、
高い断熱・遮熱性能を発揮。美しさと高性能を兼ね備えたお住まいに生まれ変わりました。

屋根

【カバー工法】
㈱リクシル T・ルーフ ヴェルウッド チャコール
鋼板と天然石の融合から生まれた軽量屋根。ガルバリウム鋼板の耐久性と天然石チップコートの意匠で 「基材 30 年」・「美観 10 年」の保証あり。表面の石粒が光・熱・雨音を拡散、屋根表面の熱を伝えにくく し雨音を軽減。野地板との間に空気層をつくることで、雨音の軽減だけでなく熱・湿気を外へ逃がすので、 下葺材の寿命を延ばし、躯体の状態を良好に保つことができます。インターロッキング工法で屋根面全体 を一体化させることにより、雨水の侵入・強風時の剥がれ防止に高い効果を発揮する災害に強い屋根。

外壁

【カバー工法】
旭トステム外装㈱ スパンサイディング S エストシルバーBF
表面材はガルバリウム鋼板の3倍超の耐食性を持つ次世代ガルバリウム鋼板 SGL に遮熱フッ素、重さは 窯業系サイディングの約1/4、非常に軽量なので地震時の建物への影響が最小限に抑えられます。金属な らではのシャープでスタイリッシュなデザイン、洗練された美しさでシンプルモダンを演出。高い耐久性・遮 熱性・断熱性・耐震性・美観を実現。

雨どい

【全交換】
パナソニック㈱ ファインスケア パールグレー
一見、よくあるプラスチックに見えますが硬質塩化ビニル樹脂の中にスチール芯を入れて一体化してあるの で、紫外線による退色や変色にも優れた耐久性・耐候性を持ち、積雪によるたわみなど日本のあらゆる気 象に耐えうる長寿命で高品質な雨どいです。

金属サイディング 外壁カバー工事の流れ

工事はどの様に施工されていくのか、またそれに伴う工事も含め全体の流れをご紹介していきます。

~こんな工事も必要です~

  • 足場工事
  • 雨どい工事
  • ガス関係
  • 塗装工事
  • 電気関係 など

壁面全体の工事となれば高所作業になるので足場が必要です。
また壁に取り付けられている物、屋内に引き込まれている物があり、全面カバーで綺麗に覆おうとするとそれらの脱着が必要となります。

足場組立工事

まずは足場組立です。
朝から始まる日もあれば、午後から始まり日没までに完了の場合もあります。

塗装工事

家の外観は屋根・外壁だけでなく、「ここって何て言うんだろう?」と思う部分があり、それらも含めて外装です。
外壁をカバーして新築の様になると今まで全く気にならなかった所が「あれ、こんなに汚れていたかな?」と感じます。
そういった部分も塗装工事を行い塗膜で守ることにより家を美しく良い状態で長持ちさせます。


「 破風(はふ)・鼻隠し」と呼ばれる屋根の先端部の板材。
劣化が進み中の繊維質が見えています、このままでは表面から雨水を吸ってしまいます。

「軒天・ 上裏(あげうら)」と呼ばれる部分、築年数の経過と共に雨漏りのシミや傷みが見られる所です。

取外し工事

雨どい・電気関係・給湯器など壁に取り付けられている物の多くは一旦取り外す必要があります。

ホース・配管の処理はもちろん、壁に密着している機器は一旦移動し、仮接続しておきます。

既存壁の補修

必要に応じて補修します。今回は目地のシーリングの破断あり、またサッシ周りは以前のシーリングとその上の塗料で盛り上がってしまっている所がありました。このままではこの後に取り付ける物の納まりが良くないので、コーキングを打ち替えます。

打ち替えが必要な所は除去してからコーキングを打ちます。
劣化が酷かったり破断している所にもコーキングを打っていきます。

下地取付け

下地となる「貫・胴縁(木材)」を取付けます、通気層にもなるので空気の通り道を確保するため、ある程度の隙間を設けます。
下地はただ取付けるのではなく、歪みや段差などの調整が必要でこれを「不陸調整」と言います。

サッシ周りや庇(ひさし)周りなどの張り始め・張り終わり・ぶつかる所に必要です。
コーナー・鈍角になっている所にも取付けます。
下地をフラットにするため微調整に使用するスペーサー。

役物取付け

サッシ回りなどに使用する「見切」(「受け」と「被せ」でセット、基礎と外壁の間の「土台水切」、サイディングを載せる「スターター」など、サイディング本体以外に「役物」と呼ばれる物を取付けていきます。建物の形状が複雑だったり、窓の数が多いいと役物の量も増えます。

下地に役物を取付けます。
サッシ周りなどに使用する「受け」と「被せ」、取付ける物が多く手間のかかる作業ですが、ひとつひとつ仕上がりを意識して取付けていきます。
下地に取付けられた土台水切スターター

本体

いよいよ本体を搬入し張っていきます。今回はタテ張りです。長さ約3m程あるサイディングが 100枚以上を1枚1枚張る場所に合わせ「採寸」「カット」「張る」の繰り返しです。窓だけでなく、エアコンの配管や換気口などもそれぞれの位置に合わせて穴を開けて通していきます。壁の張り始めと張り終わりは釘打ち機ではなく、先に下穴を開けてから金づちで打つことによって綺麗に仕上げることができます。
熟練した腕の良い職人だからこそ、勘に頼らず水平器を使い確かな仕事をします。

今回はスペースがあったのでトラッククレーンで乗り入れ、大きな鉄のパレットごと降ろしました。
細かな金属片が飛ばないよう集塵機を使用します。
張り終わりなので 釘を打つための下穴を開けます。
機械ではなく手で打ち綺麗に仕上げます。

取付工事

サイディングを張り終えたら
一旦取り外しておいた物を取付けます。

フード
インターフォン
機器類を元の位置へ、ホース類も極力すっきり。
サイディングの下地を打つ際に、壁にあらかじめ機器類の下地も打っています。

完了検査・足場撤去

足場を外してしまう前に、全体をチェックします。いよいよです、足場越しではなく全体を見れます。

養生シートを外したら見学の方がいらっしゃいました。

今回のポイント!

その1 土台水切りのライン

元は基礎と外壁の境目が一直線ではないところがありました。
とてもスッキリ、違和感ゼロの自然な仕上がりに。

写真の部分だけ土台水切りがかなり高くなっていました(新たな下地を取付け中。)
下地を打ち込み真っ直ぐにしました。

その2 煙突固定部

木部と木部の間にご注目です。
他の部分と 同様に 張ってしまうと、 木部より仕上がりが出っ張ってしまうので、下地の木材で高さを調整し木部とサイディングをフラットにし、あえて見切の枠は付けないことにより自然な仕上がりになりました。

その3 窓

内側に直角に壁が曲がる部分の窓です。ぴたりとついていればOKというものでもなく、調整してルーバー窓の開け閉めが出来るようにしました。

その4 ポーチ柱

住み慣れた玄関前の柱、下地とサイディングの厚さ×4面では大きく太さが変わってしまい、お客様が感じる違和感を解消しました。

その5 ウッドデッキ

元々の壁にギリギリでしたので、このままでは張れません。張った後も同様にギリギリの仕上がりになるよう、切らせていただき施工しました。

この様に、外壁カバー工事はただ張るという作業ではないことがおわかりいただけたでしょうか。一邸一邸のお住まいの状態を考慮して納める施工の技術と、お客様の思いに向き合う柔軟で丁寧な対応力も求められます。
お客様に喜んでいただくことが私たちの喜びです。「銅一板金を選んで良かった」と思っていただきたいです。